タイトル通り。ネタバレなしで終のステラの魅力を語ります。
安い! 短い! Key入門向け作品
CLANNAD観て、Keyクソはまった。ゲームもやってみたいけど、ノベルゲー初心者だから怖いんだよな~ なんかいいやつない?
フルプライスならサマポケ一択だけど、安く、短くなら終のステラかな。
Keyの作品多すぎて、入門向けがわからない? OK.
とりま終のステラやれ。
でも、お高いんでしょう?
いや、スマホ版なら1200円だぞ?
プレイ時間約10時間、価格千円台。
最速で泣ける。
スマホ版なら途中まで無料で読めるから、もし合わなかったとしても、そこでやめればおk。
おそらく気付いたころにはのめりこんでるからそんな心配は無用だと思うけど。
舞台はシンギュラリティ到来後の未来
舞台はシンギュラリティが起こり、人類が衰退した未来。かろうじて人類は生存していたが、かつての食物連鎖の頂点に君臨していたころの影は見るもなく、人類は日々シンギュラリティマシンと呼ばれる高度な機械と野蛮人と化した”人類だったもの”におびえながら暮らしていた。
やっぱり田中ロミオ先生はSFと社会問題を絡めるのが本当にうまい。Rewrite好きな人ならハマるはず。
そんな中、”運び屋”をしていた主人公の「ジュード」は、ある人物から依頼を受ける。それは、あるアンドロイドを依頼人の元へと届けるというものだった。そして、アンドロイドである「フィリア」という少女と出会う。ジュードは進む。その少女が人類の未来を拓く希望であると信じて…
魅力的な人物たち
控えめにいって最高です。人とアンドロイドの組み合わせは本当に最高。語彙力消失してます。
この物語では、ジュードとフィリアが依頼主のところまで行く過程を描いているんだけど、当然その道中で様々な人物と出会う。人間はもちろん、アンドロイド、そして”かつて人だったもの”にまで。
人と人どうしの交流ももちろんいいんだけど、やはりこの物語では人とアンドロイドの交流、さらに言えば人と”かつて人だったもの”つまり”ヒトであって人でないもの”との遭遇に注目してほしい。
今作の主人公、ジュード。運び屋として受けた依頼によって、アンドロイドの少女、フィリアと出会う。フィリアとの交流はあくまで依頼の一環であると考え、一歩引いた立場をとる。
※運び屋…物資や情報の都市間での輸送、伝達を担う、高い情報通信技術と戦闘能力をもった人々のこと。定住はせず、数多の都市を依頼をこなしながら転々としている。
今作のヒロイン、フィリア。永い眠りから覚め、ジュードと出会う。「人間になれ」という造物主の命令を果たすため、「人間になる」という目的のためジュードに同行する。アンドロイド味がなく、幼い人間の少女のようで、ジュードを本当の父親のように慕い始める。
旅の途中でジュードたちと出会うアンドロイドの少女、デリラ。フィリアとは対照的に、落ち着いた雰囲気を纏う少女。「父親」に会いたいという。
依頼主の老人、ウィレム。ジュードにフィリアを自身の元まで届ける依頼をした本人。その正体も、意図も不明。
※いずれの画像も、©VISUAL ARTS / Key 終のステラ 公式サイトより引用。
”人”とは一体何者であろうか
我々は普段「人間」という生き物を、理性的で、社会性のある地球唯一の高度知的生命体であるとなんの疑いもなく解釈している。
しかし、高度に発展したAIは人間をとうに卓越した知性を持っているうえ、感情をもたないため人間のように感情的になって判断を誤ることもない。そして、高度なネットワークによって人間のそれを上回る速度と量の情報を常にAI同士で共有している。なるほど、理性と社会性においては人間をはるかに上回る存在である。そして、そのAIがもし仮に人間と同様の感情を再現し始めたのだとしたらどうだろうか。それこそ人間のアイデンティティを脅かすものとなる。
さらにいえば、人間の理性と社会性というものすらも、文明という名の箱庭の中にあって初めて存在し得るものではなかろうか。生物学的には”ヒト”ではあるが、文明社会で育たなかったがゆえに、”人”になり損ねたものたち。理性と社会性は、教育によって後天的に身につくものだ。それがなければ人類はただの獣と何らかわりない。
AIに理性と社会性、さらに感情というアイデンティティすら奪われ、文明がなければ獣に等しい人類。そんな我々人類の新たな一面をみせ、人類を定義しうるものが何たるかをもう一度我々に問う、それが人とアンドロイドとの交流と人とかつて人だったものとの交流であり、この「終のステラ」という作品なのである。
旅の結末、二人の行く末。
旅の途中で遭遇する数多の危険と出会い、別れの中でジュードとフィリアは何を思うのか。人間を諦観するジュードと人間に憧れるフィリアという、対照的な二人の旅の結末は、そして二人の行く末は…
フィリアは人間になれるのか、ジュードは人類の希望を運びきることができるのか。
気になる続きはどうぞご自身の手で!
一言
はじめはお気楽に紹介文を書こうとしてたんだけど、気付いたら結構熱入って割とまじめな話になってしまった…
私の拙い文章力で、この「終のステラ」という作品の魅力を伝えきれたとは当然思っていませんが、それでも誰かがこの作品に興味を持ち、それが琴線に触れる作品になるきっかけをつくれたなら、それに勝る喜びはありません。
あなたが、あなたを揺るがす作品に出会えますように。
それではっ!
・参考サイト一覧
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