もう、見たくない… でも、見届けずにはいられない。
喜:★★☆☆☆(最後まで気が抜けない)
怒:★★★★☆(主人公ヘイト)
哀:★★★★☆(ヒロインに同情)
楽:★☆☆☆☆(三角関係キツイ)
間違いなく純粋に恋愛を描いた作品としては
最高傑作。
シナリオから音楽に至るまで、恋愛のみをただ純粋に扱った作品としては非常に高い完成度を誇る大作。
これは過ちを許してもらう物語ではなく、過ちを認めてもらう物語。
※ネタバレに配慮していますが、挿入画像等、軽微なネタバレがあるかもしれません。自己責任でお願いします。
※筆者がかずさ派であるため、雪菜に対してやや否定的な感想を持ってしまっていますが、一意見として参考程度にしていただけると助かります。
概要
概要はいいから感想あくしろよ!ってかたは飛ばしてもらって、ドウゾ。
あらすじ
一言でいえば三角関係。二人の少女と一人の青年の恋愛模様を主軸に置いた作品。
高校生編(IC)、大学生編(CC)、社会人編(Coda)の三章からなる。
長すぎ。
内容が割と重いうえに、攻略にかかる時間が長いからゼッタイ挫折する人いるゾ….
どれかえばええん?
例によっていろいろなエディションが出ている。
EXTENDED EDITION一択
R18なので未成年者は買えないが、その制約があるとしてもEXTENDED EDITIONを買うべき。
というか未成年(高校生)はギャルゲーなんてやるな! 勉強しろ!!!!!!
EXTENDED EDITIONは本編のすべてが収録されているほか、追加コンテンツも完備されていて、なおかつ6000円ほどと安い。
こんだけの質と量の作品が6000円台は普通にバグ。
だまって買え!(すみません買ってくださいお願いします。)
忌憚のない意見を述べていくゾ~~~
作品の特色 感想
選択肢が残酷
ノベルゲーの特徴として選択肢というものがあるが、それがあまりにも残酷。
人によっては選択し難い究極の二択というか、とにかく抉るような選択肢を提示してくる。
そのくせ、肝心な時には選択肢なしで主人公が勝手に行動しやがる…..
何してんだ春希ィィィ!?!?!?
ってなったのは一度や二度のことではない。発狂不可避。
ある程度耐性ないとぜったい挫折する。
主人公がイライラするかも
お前何してんねん!ってなるケースが多い。
主人公が正真正銘のクズに成り下がっているならまだしも、良心があるからモヤモヤする。
ヒロイン二人を共に幸せにするだけの能力を持ち合わせていない癖にそれを望んでしまっている愚かさというか、「その優しさは悪だよ…」と思わされることがとても多かった。
というかそもそも、
主人公成長してない
どのルートでも感じたことだけど、周りが頑張ったおかげで好転していることはあっても、主人公が主体的に努力して好転させた場面はほとんどなかった気がする。†悔い改めて†
かっこいい完全無欠な主人公や、成長していく主人公を好む人にとっては、イライラというかモヤモヤするシーンが多いと思う。
クズに成り下がってくれた方がプレイする側としては楽。
全員、めんどくさい
春希(主人公)はいうまでもなく、他二人のヒロイン(雪菜とかずさ)もとにかくめんどくさい。
雪菜は一見誰にでも優しい女神のように映るけど、実際は強情で意地っ張りのめんどくせ~女だし、かずさは「ザ・ツンデレ」って感じのめんどくせ~女だし…
私がかずさ派だからだろうけど、雪菜に関しては「いやお前が元凶だろ!」みたいなことを終始感じてしまっていた(雪菜派の方には申し訳ない)
とにかく、全員めんどくさいし、雪菜とかずさは本当に不倶戴天の敵なのだと思わされる。
どのヒロインを推すかで見え方がここまでかわるゲームはそうそうない。
雪菜派かかずさ派か
容姿も性格も正反対な雪菜とかずさ、どちらに肩入れするかで大きく印象が変わってくるのがこの作品の特徴だ。
雪菜と歩む、「周囲との調和の中で育む幸福」とかずさと突き進む「二人だけの幸福」、どちらに惹かれるかは、まさしくあなた次第。
友人と家族のありがたみが光る
主人公もヒロインも一筋縄ではいかないからこそ、友人と家族が光る。
間違い続ける主人公とヒロインを、叱り、励まし、庇ってくれる、そんな友人と家族の魅力に触れられるのもこの作品の特徴だ。
個人的には冬馬かずさと冬馬曜子の関係がすごく好き。
性行為による対比
18禁なので、各ヒロインとの性行為が描写されている。
とりわけこの作品では、ヒロインごとに性行為の示す意味が異なるように感じた。(それゆえ、全年齢版ではなくR18版をおすすめする。)
かずさとの性行為では初めてのあやまちを、サブヒロインとの間ではあやまちの繰り返しを、雪菜に関してはあやまちの清算を描いているように感じた。
(エロシーンは抜け)ないです。
かずさが可哀そう
これも私がかずさ派であるがゆえだと思うので、無視していただいても構わない。
一見すると、雪菜が一番の被害者のように映るが、見方を変えると二人の間に割って入ったのは良くも悪くも雪菜だし、無理に「三人」でいようとしたのも雪菜だし…..
雪菜のルートはなんだかんだ最大多数の最大幸福的な感じで「まぁみんなある程度は幸せだよね」って感じなんだけど、かずさの場合は「二人だけしか幸せになれない」というほか大多数の不幸の上に成り立つ場合が多い気がして、正直可哀そう。
雪菜も可哀そう
とはいえ、雪菜も可哀そう。
かずさ派の私ですら、雪菜に同情せざるを得ないシーンが数多くあった。(これも春希のせい)
春希に振り回された具合でいえば、もちろん作中トップであろう。
春希も雪菜も根が真面目であるがゆえに、お互いに相手の罪を認めず、自分に非を追及して苦しみ続けてしまったのも大きな要因であろう。
ともかく、かずさも雪菜も両方可哀そう、そういう作品である。
曲の使い方が秀逸
ノベルゲームにおいて重要な要素の一つ、それが楽曲。
古今東西楽曲がすばらしいノベルゲームは数多とあるが、中でも本作は「楽曲の使い方」が巧いと感じた。
状況に合わせてBGMを流すことはもちろん、シリアスな展開になったときにあえて曲を止めるタイミングが素晴らしかった。
「こういう使い方もあるのか…..」
と思わされた作品。一見の価値アリ。
「大団円!」的なエンドはない
三角関係という出口のない迷路を取り扱ってるので、全員が全員本当の意味で幸せになれるエンドは存在しない(と思っている。)
一部では「雪菜トゥルー」を大団円ルートとみなすようだが、あれも結局はかずさの妥協によって成り立っているから、真の大団円ルートとは言えないと感じる。
むしろ、数々の犠牲の上で成り立つ「かずさトゥルー」の方を「ホワルバ2らしいルート」として提唱したい。
どのルートが一番か論争がたびたび勃発するらしいが、ぜひとも私は傍観を決め込みたい(無責任)
未プレイの方へ
どんな人におすすめ?
とにかく、「三角関係」「ドロドロした人間関係」「めんどくさい主人公とヒロイン」に耐えられる人におすすめする。
ある程度の耐性がないと、途中で萎えて挫折してしまう可能性が高い。
攻略までの道は長いうえ、途中で挫折するかもしれないし、何より得るものは何もないけれど、それでもやりきったときに後悔しないことだけは約束する。←何様
早くプレイしろよプレイしろよ~~~~~~~
攻略順
まず、一点、サブヒロインを含めたすべてのルートをやろうとすると膨大な時間がかかる。
もちろん、サブヒロインルートもやるに越したことはないが、彼女たちはあくまでこの作品のメインヒロインである雪菜とかずさのルートの味付け的要素がほとんどであるので、無理にやる必要はない。
「雪菜とかずさと春樹の三人の恋愛模様が見たい!」という方は、挫折を防ぐという意味でも、サブヒロインルートは飛ばしてしまっても構わないと思われる。
※ただし、クリア後メッセージを視聴するにはサブヒロインの攻略も必須
(サブヒロインの中でも、千晶ルートに関してはなかなか面白いものだったので一見の価値はあるかも?)
以上を踏まえたおすすめ攻略順は以下。
- IC(一周目)
- CCノーマル
- CCサブヒロイン(省略可)
- CC雪菜
- IC(二周目)シナリオが追加される
- Codaノーマル
- Codaかずさノーマル
- 不倶戴天の敵(かずさノーマルの追加エピソード)
- Coda雪菜トゥルー
- 幸せへと進む道(雪菜トゥルーの後日談)
- Codaかずさトゥルー
- 幸せへと戻る道(かずさトゥルーの後日談)
※Codaの雪菜トゥルー、かずさトゥルーについてはお好きな順番で。不倶戴天の敵はノーマルルートの追加エピソードだが、人気が非常に高い。
ほかにもコンテンツがあるが、上記以外は必須級ではないと感じた。(「もう、ホワイトアルバムの季節じゃない」はCodaかずさトゥルーの後推奨)
選択肢が多いため、攻略サイトが必須。
まとめ
三角関係をテーマとした、一筋縄ではいかない最高に面倒くさい男女の恋愛模様が最高に切なくそして面白いWhite Album2。
得たものがあるかと言われたら、それは何一つとしてないのだけれど、それでも最後までやりきってよかったと思える作品だった 青年期の多感なこの時期、そしてこの季節に出会えたことに感謝。
ぜひ皆さんも、冬がますます深まるこの季節に、心抉るリーフの贈る大作、White Album2をプレイされては如何だろうか。
あとがき
一部深夜テンションで書いていた場面があるので、クッソ寒い言い回し等、多分に含まれており非常に申し訳ない。
ネタバレなしでは非常に淡白なレビューにならざるを得ず、ぜひ皆様お手に取って、ご自身の手でこの作品のすばらしさを感じてみてほしい次第である。
余談ではあるが、実に久々のレビュー記事となってしまった。
今後はもっと精力的にノベルゲーム及び記事の執筆に心掛けていきたい。(このブログに価値を見出している人がいるかどうかは甚だ疑問ではあるが。)
過ちを繰り返し、それでも前に進もう
それでは!
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