キミと駆ける。奇跡だけを信じて
またしても久しぶりの記事更新となってしまいました。今回はLUNARiAです。
最近、Key作品ばっかやってるような気もする…..
なるべくネタバレを避けつつ、魅力を伝えられたらなと思います。
結論、シナリオゲー入門におすすめ
です。
個人的に、同社の終のステラとは対照的だと感じたので、そちらの比較もできたらなと。
あらすじ
例によって、公式サイトからの引用です。
『Skyout』それは最新鋭のVRバトルアクションレース。
“T-BIT”は高校生ながら、向かうところ敵無しの天才ゲーマー。
来る日も来る日もSkyoutにログインしては、賞金を荒稼ぎしていた。
そんなある日、彼は不思議な空間に迷い込む。
誰もその存在を知らない月面サーバー『ルナーワールド』。
そこで出会ったのは、“LUNAR-Q(るなきゅん)”と名乗るAIアバター。
なんでも彼女は月面開発事業のボツマスコットキャラで、
ひと目地球を見てみたいと言うが……?月と地球。
384,400kmを繋ぐラブストーリー。
端的に言うと、VR上での恋愛物語といった感じです。
レビュー・感想
とにかく、疾走感がすごい
このお話は、いきなり主人公のT-BitがVR上でレースをしているところから始まります。それゆえ、始めから疾走感がすごい。
フルプライスのゲームは、そのボリュームもあって、共通ルートが長く、ヒロインと親密になるまで時間がかかる傾向にあります。
その点、LUNARiAは、ロープラであり、かつ始めから疾走感があることで、だれることなく、ヒロインとの話を進めることができます。
その後も、失速することなく最後まで一気に駆け抜けられました。
元々短いゲームということもありますが、ここまで一気に駆け抜けられる作品はそうないと思います。
Keyらしい感動作
数々の名作をうみだし、「泣きゲーの生み親」とまでいわれるKeyの作品ですから、そのシナリオの質はある程度保証されていると思います。
主人公とるなきゅんの二人の恋模様を主軸に、文字通り「近くて遠い恋物語」を描けていたように思います。
インパクトはやや薄いか
先述したように、最後まで一気に駆け抜けられたのは確かです。
しかし、それと同時に、「あっさりとおわってしまったな」という感想を抱かざるを得なかったのもまた事実です。
ところどころに感動要素、場面の転調はありましたが、予想を上回るようなものではありませんでした。
確かに感動し、驚かされる場面もありますが、それはよく言えば堅実な、悪く言えばベタなものであることは否定できません。
そのため、シナリオゲーにほとんど触れたことのない初心者相手ならまだしも、数多く振れたことのある人にとっては退屈なものになってしまう恐れは十分あります。
あくまで恋愛物
再三申しておりますが、これは主人公とるなきゅんを主軸に置いた恋愛物語です。
それゆえ、それ以上の要素(例えば、友情や社会問題の風刺、哲学的思想など)はほとんどありません。
ゆえに、この作品の評価はるなきゅんをかわいいと思えるか、あるいは二人に感情移入できるかということに大きく左右されるものと思います。
ですから、ノベルゲームに恋愛以外の付加価値を求めている人にはあまりおすすめできません。
「終のステラ」との比較
同じブランド発で、発売開始時期も似通っている「終のステラ」とよく比較される(と私が勝手に思っている)本作ですので、倣って私も比較したいと思います。
すべてにおいて対照的
と私は感じました。
恋愛 OR 親愛
本作は、当たり前ですが恋愛を基調としています。
一方、終のステラは親愛、具体的に言えば、主人公がヒロインの「父親」になるまでの過程が多く描かれています。
恋愛と親愛は、同じ愛の字があるとはいっても、全くの別物なので、そこは注意する必要があります。
ライト向け OR ヘビー向け
LUNARiAは「恋愛」という比較的わかりやすいテーマを、わかりやすい手法でプレイヤーに伝えてくれています。
それゆえ、LUNARiAはシナリオゲー初心者にもおすすめできる、ライト層向けのゲームだと感じました。
他方終のステラは、「親愛」を主軸にしてはいるものの、それ以外も「人類とアンドロイドの共存」、「人が人たる所以」といった、さらに深いテーマに関しても扱っています。
また、文章ベースであるため、ある程度文字を読むことに慣れた人でないと、断念してしまうとも感じました。
それゆえ、終のステラは、ある程度シナリオゲーに親しんだ人向けだと思います
軽いノベルゲーがやりたい人はLUNARiA、濃いノベルゲーがやりたい方は終のステラがおすすめです。
結論どっちがおすすめ?
まずは、恋愛か親愛か、どちらの物語が好きかで判断してください。
ですが、どちらでもいいという場合は、私は
「終のステラ」をおすすめします
先述したように、終のステラのほうがより深いテーマを扱っており、それゆえ得られるものが多いです。
文字情報が多く、一般的なノベルゲームとは異なる点が多いですが、文字を追うことが苦でない方であれば、初心者に対してもお勧めできます。(実際よくしています)
とはいえ、比較して終のステラがおすすめなだけであり、初心者かつライトな恋愛物が好きな方に対してはLUNARiAも十分おすすめできる作品です。
総評
全体的にシナリオゲー入門向けの作品かと思います。
疾走感と、ロープラであることも相まって、手が出しやすいうえ、すぐに攻略できること、そしてKeyというシナリオゲーでは定評のあるブランドが出している作品であるためです。
ただ、それゆえ、シナリオゲーを数多く嗜んできた人にとっては、「物足りない」と感じさせうるものであったことも確かです。
あくまで入門者をターゲットとした、「ライトなシナリオゲー」としてみるのが良いでしょう。
総じて、この作品の評価は、「主人公とヒロインにどれだけ感情移入できるか」に大きく左右されるものと判断いたします。
最後に
完全に余談ですが、さすがに定量的な評価(★など)をつけようかと検討中です。
ただ、私のノベルゲー経験の浅さもあり、どういう指標でつけるべきかあまりよくわかっておりません。
また、旧記事に関して、今更ながら発見が多々あったので、大幅に書き直すかもしれません(特に終のステラ)
どこまでも、君と駆ける。
それでは!
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